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主夫と生活

著:マイク・マグレディ
訳:伊丹十三
定価 1760円(本体価格1600円)

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  • ISBN-13: 978-4-87758-732-1
    188×128×23mm
  • 発売日:2014/11/20

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主夫と生活

著:マイク・マグレディ
訳:伊丹十三
定価 1760円(本体価格1600円)
夫婦の役割交換は可能か?
1983年刊行、伊丹十三氏の翻訳によるエッセイを復刊。ニューヨークで活躍していたコラムニストが仕事を辞めて「主夫」に。実体験に基づき、家事や育児に奮闘する姿をユーモラスに描いた作品。内田樹氏の解説を新たに収録。
*正誤表PDF

編集者のおすすめポイント

ある日、新聞社の人気コラムニストを辞め、妻と役割交換して「主夫」になるマイク・マグレディ。周囲からの冷ややかな反応、自信があったのにうまく作れない料理、どうしても克服できない掃除下手、洗濯物の山との深夜に及ぶ格闘、家計をやりくりして家族の世話をする毎日——伊丹十三氏の軽妙な訳文で「主夫」の奮闘の記録を綴ります。仕事や家事、男女の役割ついて、新たな視点から考えるきっかけを与えてくれる一冊。長新太さんによるイラストも必見です。

著者略歴

マイク・マグレディ(Mike McGrady)

1933年生まれ。2012年没。ハーヴァード大学卒業。アメリカの全国紙「ニューズデイ」の売れっ子コラムニストだったが、40歳にしてある日、仕事を捨て家庭に入った。ベストセラー小説“Naked Came the Stranger”(邦題『ジリアン夫人』)を書いた作家の一人であり、「プレイボーイ」、「サタデイ・イヴニング・ポスト」などの常連寄稿者として活躍していた。一年間の主夫体験をまとめた本書はアメリカで大きな反響を呼び、ベストセラーとなった。

伊丹十三(いたみ・じゅうぞう)

1933年、京都生まれ。1997年没。俳優、テレビマン、CM作家、エッセイスト、翻訳家、商業デザイナーなど、多岐にわたって活躍。『お葬式』、『マルサの女』などの脚本家、映画監督としても高い評価を得る。著書に『ヨーロッパ退屈日記』、『女たちよ! 』など多数。二児の父親として子育てをするなかで、親子関係や育児論に高い関心を寄せ、精神分析についての見識も深めたことから、当時の社会現象や思潮を捉えた雑誌『モノンクル』を創刊。現在、愛媛県松山市にある伊丹十三記念館で多彩に活躍した氏の足跡を辿ることができる。

目次

第一章
コリーヌが事業家になり、俺は主婦を失うのこと/コリーヌ、俺の夫になるといい出すのこと

第二章
俺が退職金の計算をするのこと/俺が遂に辞表を書くのこと/誰も俺を引き留めず、俺は酔い潰れるのこと

第三章
俺が主夫としてデビューし、主人のコリーヌを会社へ送るのこと/主夫第一日目の生活で時間が伸びたり縮んだりするのこと/俺が晩めしを作り、コリーヌから百ドルの家計費をもらうのこと/最初の一日が終り、俺は主夫として眠りにつくのこと

第四章
料理のこと、あるいは、俺たちの結婚史/料理のこと、あるいは、俺のオイスター・ロックフェラーとチョコレート・ムースが惹き起こした意外な反響/料理のこと、あるいは、「しぼまない」スフレの秘密/料理のこと、あるいは、透明なコーヒーの謎/料理のこと、あるいは、愉しきかな、主夫同志のお料理自慢

第五章
掃除のこと、あるいは、コリーヌの不機嫌/子供たちが家の中を散らかし、俺はおふくろそっくりの雷を落すのこと/ヴァレンタイン・デイの感動的一夜/掃除のこと、あるいは、俺の病気/掃除に関する安易な解決、そしてコリーヌが綺麗好きをやめるのこと

第六章
コリーヌの栄光、あるいは、わが家の歴史/わが家が変身し、「まるでグラビア」のようになってしまうのこと/イレーヌ・サルカーン嬢の活躍、あるいは、「完全な家」の出現/晴れの日がやってきて、俺は歯医者へ逃げ出すのこと/子供部屋の惨状、そして、やれやれ、やっと終った!

第七章
「籠の鳥の憂鬱」が次第に俺の心を蝕むのこと/久しぶりのおよばれ、あるいは、主夫生活からの束の間の解放/レッツ・ゴー・トゥー・ザ・パーティー、そしてクレイグ・クレイボーン先生との感激の対面/主夫たる俺の、パーティーにおける栄光と屈辱と

第八章
きちんとした家という夢を抱いて俺が主夫生活に入るのこと/洗濯論、あるいは、システムについて考えてみよう/洗濯におけるもろもろの不愉快、そしてアイロン掛けなぞ糞でもくらえ!/親の心子知らず、あるいは、洗濯男の孤独/「ヤーメタ!」そして、自分のことは自分で、という最良のシステム

第九章
ディナー・パーティー、あるいは、華麗な計画と悲惨な現実/病院の日々、あるいは、天国と地獄/ある日医者の請求書がやってきて、俺が自分の金銭感覚の変化に気がつくのこと

第十章
さて、久しぶりに御主人様の御苦労を眺めてみようか/コリーヌVS筋肉男、あるいは、男はあるがままですでに差別的であるということ

第十一章
主夫生活半年目の記念日に、俺がトップレス・バーへするすると入りこむのこと/トップレス・バーの愉しいひと刻、そして/コリーヌの時ならぬ上機嫌に俺は胸をなでおろし、同時に小首を傾けるのこと/理想の妻、あるいは、ベッドのなかの巨大な氷の塊り

第十二章
「生けるライフ・スタイル」クローディア女史に関するコリーヌの不吉な予言/クローディアとその新しい配偶者の奇妙な食生活/「正しい人々」との生活、あるいは、募りゆく俺の不機嫌/刻々迫りくるスープ・ディナーの恐怖、そしてパーティー寸前の大逆転/肉入りスープの大成功と、「あーァ、とうとう言っちゃった!」の巻

第十三章
俺の金銭感覚、あるいは、かつては俺もいっぱしの博奕うちだったこと/インフレとの孤独な戦い、そして、しょぼくれてゆく俺/ではこのへんで俺の競馬哲学を開陳しよう/突然ですがグリーン・スタンプなど集める君は存在丸ごと、もう完全に舐められているのだぞ!/面白うて、やがて悲しき競馬かな

第十四章
俺が初めて子育てを体験し、男の子と女の子の育て方が違うことを発見するのこと/子供たちとテレビを見るのも容易なことではないのだ!/アーラ、マア、あの美しいシオバーンの口からなんという穢い言葉が!/俺がイースターの兎ちゃんとサンタクロースの死を厳かに宣言するのこと/担任の先生との恐怖の面接、あるいは、「坊主でかした!」

第十五章
ディナー・パーティーでの大論争、あるいは、男女の役割に対する男の偏見、女の偏見のコレクション/女房の両親の立場、すなわち「娘の結婚相手が主夫になってしまった!」/俺の両親の立場、すなわち「息子が主夫になってしまった!」/俺がリンダのためにマヨネーズを作り、多くの男が主夫の素質を持っていることを発見するのこと

第十六章
今日もみんなを送り出しながら、俺が主夫としての喜びをしみじみと味わうのこと/役割交換の最大の疑問点、俺は自分の重荷をコリーヌにおっかぶせただけではなかったのか?/楽しかった一年! しかし、これ以上繰り返したくない、と俺の心は叫ぶ

第十七章
一年の最後の日、俺たちは役割交換を総括し、新年に向かって、新たな結婚契約を構想するのこと/さて、これが俺たちの新しい結婚契約だ。諸君には馬鹿馬鹿しくみえるかもしれないが、これが俺たち一年間の悪戦苦闘の成果なのだ

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