はじめに
第一章 気持ちいい暮らしに憧れるということ
罪悪感との戦い/「舌の感覚」を切り替える/素朴で安心なものを食べさせたい/「食の安全」に対する変化/反逆文化の成り立ち/アウトサイダーとしてのエリート意識/安定の裏返し、「反逆クール」/ブルジョワ・ボヘミアンの出現/表裏一体の上昇志向と反逆クール/ていねいな暮らしとは?/食に求められる「日常の大切さ」/素朴で健全、そして美味しい食事/五感で楽しむ贅沢/求めているのはごく平凡で健全な暮らし
第二章 ともに物語をつむぎ、ゆるゆる生きる
利便性よく安全な野菜を届けたい——オイシックス/農家の固い扉をたたく/桃みたいなかぶ、だからピーチかぶ/ネーミングから生まれる新たな物語/「規格外」の発想と神話破壊/野菜から生まれる家族の会話/美味しい野菜が織りなす物語/物語の必要性/美食は非日常の「エンタテイメント」/日常の料理の面白さを知る/ハレとケ、日常と共感/トマトをめぐる冒険/日常の喜びを知る——「くらしのきほん」/ゆるやかな物語性/店を持たない、小さな八百屋——「青果ミコト屋」/ニーズに合わせた演出——「成城石井」/ささやかな特別感に応える品ぞろえ/成城石井が考える第三の道/いまこの瞬間を楽しむ
第三章 開かれたネットワークと「街で暮らす」
新しい「住」のスタイル/福井の拠点/移動の自由と楽しさ/モノが減ると自由度はあがる/「横へ」のつながり/新しい時代のセーフティネット/登山から学ぶ必要最小限の極意/少ない荷物で人生を旅する/「モノ」に振りまわされない生きかた——ミニマリスト/内と外を隔てないスタイル/街に暮らすということ/自分たちの手で暮らしをつくりたい——「タイニーハウス」/公と私をゆるやかにつなぐ境界/都市か田園か/ほんとうに自然にやさしい暮らしとは/東京はいま、住みやすく静かな街/わたしたちが都市に求めるもの/「場」を求める若者たち/共有設備とコモンミール——「コレクティブハウス」/コレクティブハウスの自律的な共同体/コミュニティになる賃貸マンション——「ロイヤルアネックス」/「横へ」とつながる共同体——「サイハテ」/有機的な内外の連携/機能とニーズを循環させるパーマカルチャー/開かれたコミュニティ/「お好きにどうぞ」の哲学/暮らしや人間関係にも「可用性」が必要/破綻のない結婚生活のヒント/共感を大切にする「つながり婚」の時代/衣も食も住も、ゆるやかにつながる関係
第四章 すべては共同体へと向かう
わたしたちの暮らしに影響を与える〈場〉/重なり合うネットとリアル/「デジタルネイチャー」に属する未来/思い立ったらボタンひとつで/魔法のようなテクノロジーに支えられる/AIによるビッグデータの分析/ビッグデータの可能性/あらゆる場所がメディアになる/メディア空間につくる物語——「北欧、暮らしの道具店」/クラシコムの文化/メディアの3Cモデル/企業と人がつながる包括的なメディア/企業と消費者がともに創る価値/企業は「伴走者」になっていく/ライブ的な体験を共有する仕掛け/ライブ体験+継続的なコミュニケーション/人と人をつなぐ包括的プロセスへの変化/二十一世紀の新しいマインド、ノームコア/自由を生み出す究極の普通/新たな共同体の再興
おわりに
あとがき
参考文献
レシピ索引