料理発見
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野性と知性のひと、台所に立つ。
食べて生きる力の素が、この一冊にぎっしり詰まっている。
平松洋子(作家・エッセイスト) -
作家、エッセイストの甘糟幸子さんによる1986年刊行の食エッセイ、待望の復刊。気になった食材や美味しい料理は自ら試さずにいられない。料理への好奇心と情熱にあふれ、料理することのおもしろさを発見させてくれる良書。
◆推薦コメント
生きとし生けるものすべて、食べることから逃れられない。その摂理をわがこととして見つめながら台所に立ってきたのが、甘糟幸子さんである。大胆不敵に挑む牛スジ、シチュー、骨つきラム、極辛カレー、骨つきハム、鳩。あるいは、細心に向き合う葛切り、小籠包、朝茶、百合根。庭に横たわる仔鹿におののいたりもするけれど、でも食べる。料理をつくること、食べることは、そもそも野性ほとばしるエネルギーそのもの。読後、猛然と腕まくりして牛スジを煮たり、ゲンゴローを揚げたくなったりする。
――――平松洋子
編集者のおすすめポイント
「目新しい材料に出会うと、体じゅうの神経が活気付いてくる。想像力が湧き上がり、予感に導かれるようにして仕事が進む。忘れていた動物的な感覚がよみがえってくる。」(本文より)食材や調理器具、情報が今ほど充実していなかった1980年代にあって、どん欲かつ感覚的に料理や素材と向き合い、自らの手でクリエイティブに料理を生み出す著者。料理に対する飽くなき好奇心と遊び心、当時の食文化を堪能できます。便利になりすぎ、選択肢があふれている今だからこそ、新たな視点で「料理」を再発見できる一冊。作家・エッセイストの平松洋子氏、推薦!