『りんごの村』(文:小出正吾、絵:河野鷹思)復刊を記念して、
デザイナー河野鷹思さんのデザインワークを中心にした展示が
京都の誠光社さんで開催されます。
1950年刊行の『りんごの村』くらいから1990年代のお仕事まで。
貴重な展示やグッズの販売もございます。
ぜひお運びください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜誠光社HPより抜粋
河野鷹思のデザインワーク
〜本と雑誌とポスター〜 『りんごの村』復刊記念
開催日:2024.4.1(月)ー4.15(月)
時間:10〜20時(最終日・イベント開催時は18時まで)
京都・誠光社HP
2023年12月に児童文学『りんごの村』(アノニマ・スタジオ)を新装復刊いたしました。
しんじること、かんがえること、はたらくこと、たのしむこと。人間の欲や真心、自分らしさとはなにか。戦後に生まれた心に響く物語を、新鮮で素晴らしいイラストレーションとともに楽しめる作品です。本書は1950年に刊行され、長らく絶版となっていました。作者は児童文学者の小出正吾氏、原書の装丁、挿絵を手がけたのは河野鷹思です。河野は日本のグラフィックデザイン界の先駆け的存在で、デザイン性とクオリティは時代や国を超えて通用する力強さがあります。
本展は『りんごの村』をはさむ1930-60年代にかけての本や雑誌の仕事を中心に、ポスターも含めてご紹介します。西條八十主宰の雑誌『蝋人形』の表紙絵は、1931年に竹久夢二から引き継いで表紙を担当しました。1940年代は世の中が戦争へ向かって変化をしていき、河野はジャワで敗戦を迎えます。1946年に捕虜生活から帰国、出版社からの依頼を得て仕事を再開し、1950年代にはいると『りんごの村』を含め国語教科書の表紙絵や茶道総合誌「淡交」など手がけました。今回展示する1958年装幀の福田勝治写真集『京都』は、カバーデザインと本体のコントラストが美しい洗練された一冊です。情緒豊かなイラストレーションと特徴的な描き文字、ユーモアと風刺のセンスは、その後の多くのデザイナーにも影響を及ぼしました。1990年代まで現役のグラフィックデザイナーとして活動した晩年の河野の作品には、カチッとした堅さと時代の流れに対しての揺るがない重さがあります。
会場では、1955年までの初期作品集『青春図會』をはじめ、『りんごの村』の見開きをモチーフにしたオリジナルハンカチ、2003年「なかなかなさかなかな展」のさかなモビールなどのグッズと、河野自身で制作したリプロダクションポスターを数量限定で販売いたします。
協力:河野鷹思アーカイブ、アノニマ・スタジオ
◉河野鷹思(こうのたかし)
1906年東京・神田に生まれる。東京美術学校図按科卒業。松竹キネマ宣伝部に入社し、映画広告や美術を担当。1936年に独立し、広告、装幀、雑誌表紙、挿絵、映画美術、舞台装置等を手がけ、戦時中はジャワに徴用。日本宣伝美術会創立委員、「グラフィック‘55展」に参加、綜合デザイン事務所デスカ設立。世界デザイン会議実行委員、大阪万博日本館展示設計、札幌冬季五輪ポスターのデザインを手掛ける。女子美術大学教授、愛知県立芸術大学学長、日本人初の英国王立芸術協会員。1986年に東京ADC「Hall of Fame」選出。1999年に永眠。
長女はイラストレーター、デザイナー、絵本作家として活躍する葵・フーバー・河野。
(update 2024.03.15)