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朝 ゴ ハ ン

コーヒーとパン。
私のスタンダードな朝食の組み合わせ。
旅先では旅先での朝ごはんがあるし、
気が向いたらお米とお味噌汁の日もある。
それでも1年の大半はいつもの組み合わせで済ませている。
果物を合わせたり、スープを飲んだりということはあっても
中心は変わらない。

新しい1日の始まりは
起き抜けにお湯を沸かして白湯を飲むとか、
ヨガの太陽礼拝をやるとか、
同じことを繰り返し続けている。
そのひとつとして朝食も入れているのかもしれない。
なんだかこう書くと儀式みたいだけど。
そんな大袈裟なことじゃなく、
そうできることで自分が安心しているようなところがある。

もうずいぶん前にNHKのテレビの番組で
壇ふみさんがご自分の朝食を番組の中で紹介されていた。
確か搾りたてのオレンジジュースとトースト。
ハムやチーズも乗せていたかもしれないし、
紅茶もそこにあったかもしれないけれど、
オレンジジュースとトーストが基本。
「朝食は毎日この組み合わせです」
というようなことをおっしゃっていたと記憶している。

テレビを見ていたときは毎日同じものを?と思っていたけれど、
真似したつもりもないのに、
ずいぶん経っていつの間にか自分の朝食も同じようになっていた。
「あ、これでいいんだ」
といった具合でそのことに、もうすっかり慣れてしまった。

coffee

同じように見えたとしても、昨日とは違う朝が毎日やってくる。
Aの絵とBの絵の間違いを探すかのように。
単調に見えるようなことをあたり前に繰り返している。
普段はそんなことすら意識もしないけれど、
それがささやかなしあわせというものなんだろうと思う。
大きさで言ったら片手に乗るくらいだろうか。
指先ですくってなめられるくらいのものだろうか。
でもそのくらい。
気づくか気づかないくらいのほんのわずかで淡いもの。






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