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あー、なんだかわからないけれど、これで充分満足!
ベッドにドン!とつっぷした。

  すると再びカメラの事が思い出されて泣けるのであった。
  パンツをはいていないみたいに淋しい。

    もう、随分長いこと一緒に旅をしている。
    「今ごろどうしているかな、カメラ」
    「今頃ね、タクシーの後部座席でポンポン跳ねてるよ」
    と言ってポンポン跳ねるカメラの形態模写する相方さん。



       グァナファトの街とバスターミナルをつなぐ山坂道路には
スピード防止用の大胆な段差が数メートルおきに設置されている。
       この段差ときたら気を許したスピードのまま突っ込むと
車はつまずいてひっくりかえっちゃうんじゃないかというくらい凄まじい。
       段差がきたら車は時速10キロくらいまでスピードを落とすけれど
それでもものすごく揺れるのだった。
       ガッタン、ゴットン、揺れるカメラ。
       さようなら、私のカメラ。信じられないけど、、、。


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