バスターミナルへ向かうタクシーの中にカメラを置き忘れてきてしまった。
振り返ってみれば、グァナファトでの2日半、
まるっきり日本にいるのと同じ感覚で
いや、それ以上に伸び伸びとして部屋の鍵もろくにかけず、
なにもかも相方さんとリックに任せっきりで
パスポートを身につけるのも面倒くさいという気分で過ごしていた。
まったくの自業自得。
そして今日、2台目のタクシーに乗っている。
肩にかけた鞄の紐をぎゅーっと握りしめて。
車は旧市街に入るとスピードを一層おとして進む。
ゴツゴツの石畳。信号はひとつも無い。
そんな十字路をあうんの呼吸で交差してゆく車。