朝の通勤時間とあって道は混んでいた。
メキシコシティといえば排ガス問題で有名だけれど
想像していたよりも空気は悪くない。
あるのか無いのかわからないような車線を
沢山の車が思い思いに走り、思い思いに曲がってゆく。
なんだろう、その、ハチャメチャで あ うん 、な感じは!
見ているだけで、皮膚がヒリヒリしてくる。
あの中に入ったら、私なんて軟弱で
すぐに硬直して動けなくなるか死んでしまうだろう。
バスの運転手は一応、車線を守って走っていた。
信号が赤に変わる。
車は止まりほっとするのもつかの間、今度は人間が
モップだのガムだの土産物だの持って前後左右から現れる。