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スケッチしていると後ろを覗きこんできてワイワイ言っている。
「ゲイシャー!」とかね。
出土品も陽気だけど。現代のメキシコ人も陽気。



その陽気さの傍らで、
今、ここで発掘しました。というような生贄の白骨が
何体も「くの字」に連なって横たわっている。
こういう表現は、見たことがなかった。

      表現と言うか、素直にそのままを展示しているのだと思う。
      うまく言えないのだけれど、生々しい迫力。
        一つの空間に実感を伴って哀楽が混在していた。
          自分がここに立っていることに脳天から痺れた。
            今の世の中だって、生贄の時代とそう変わらないのかもしれない。



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