家の軒下にはぎっしりとこけしの材料がしまわれている。
「ここ、来てから知ったのですけれど、創作こけしの日本一の産地なんです。
良いミズキの木がたくさんあって、こけしの材料になる木は乾いてから使うんですけど、
もう、殆ど乾いているような材料、分けていただけたんです」
「なんか、すごいですね。」
「ほんとです、ここも、友人に声かけてもらって、最初は避難するつもりで来たんです。
だけど、この家、動力の電源がひいてあって。こういうの、一般家庭には無いものですけど。
これがあれば、轆轤(ろくろ)動かせる!ってね、いわきから、運んできたんです」
轆轤のおいてあるスペースの横にもう1台、大きな機械がおいてある。
「この"丸のこ"は創作こけしの工房の方が
『今、使わないからいいよ』って貸してくださったんです。」
笑いながらそう言って
「人ってつながっているなぁってつくづく思います」と続けた。