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港の人
港の人は、鎌倉にある出版社です。詩集、歌集、句集、エッセイなど文芸の本、鎌倉の本、そして日本語学や児童文化等の学術書を刊行しています。ことばとの思いがけない出合いを誘い、より深くことばを味わえる、そんな本づくりを目指しています。最新刊の歌集や話題の川柳句集も並べています。ぜひお立ち寄りください。http://www.minatonohito.jp/
おすすめの本
『言葉の木蔭 詩から、詩へ』
宇佐見英治/著、堀江敏幸/編
宇佐見英治は、一般には知名度が低いかもしれませんが、ジャコメッティや辻まこと、宮沢賢治論など数々の名文で、三浦雅士、堀江敏幸など今活躍する文章家たちに多大な影響を与えた重要な文学者です。彼は1918年、第1次世界大戦が終わった年に生まれました。今年はちょうど100歳の誕生日を迎え、「お誕生日おめでとう!」とこの書物を刊行しました。そう、これは宇佐見英治からのプレゼント! 100歳のハッピーバースデーブックをぜひ手に取ってみてください。
『祈り 金時鐘詩選集』
金時鐘/著、丁海玉/編
金時鐘は日本占領下の朝鮮に生まれ、20歳のとき弾圧を逃れて命がけで日本に渡ってきた詩人。日本の詩壇とは距離を置き、弱い人々とともに生きながら自分だけの詩の世界を作り上げた、今年89歳の正真正銘の「闘う詩人」です。この本は、代表作38篇を収録したベスト詩集。今まで金時鐘という存在を知らなかった人も、ぜひこの詩人のすごさに出会ってください。
『消えてしまった葉』
チラナン・ピットプリーチャー/著
四方田犬彦・櫻田智恵/訳
大学のミスコンで優勝しながら、激しい学生運動に参加して銃を手に取り森に隠れ、そして今はアートや環境保護運動で活躍するチラナンは、タイ女性が誰もが知っていて、憧れ尊敬する女性です。日本の詩とはまったく違う世界ですが、だからこそ「詩を書くとはどういうことだろう」と考えさせてくれる詩集です。この春、この日本語版出版を記念してチラナンが来日し、みずから朗読してくれました。タイ詩の豊かな伝統の韻律が美しく響き合って、素晴らしかったです。
『hibi』八上桐子
五七五で表される川柳の世界が、こんなにもみずみずしくて、深い世界だったとは! 刊行直後から評判を集めて、あっというまに品切れになってしまった川柳句集です。俳句とはちがった軽やかで自由な魅力をもつ川柳の面白さを見せつけてくれました。諸事情によって重版できなくてすみません。少部数ですが、ブックマーケットで販売します。
『鎌倉近代建築の歴史散歩』吉田鋼市
鎌倉にはもちろんお寺もたくさんありますが、洋館も町中に数多く残っています。それも、ふつうの住宅地に何気なく現役で存在していて、住む人にも周囲の人からも愛されています。明治時代から多くの財界人や文化が住み、寺社をつくる大工さんたちも腕をふるった名残です。でも、保存しきれず消えていくものが多いのも事実。この本では歴史ある建物から、見どころある戦後の建築物まで、計50件を紹介。エリア別マップもついて、古きよき建築をめぐり、鎌倉の奥深い魅力に触れてみませんか。
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