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冬青社
1984年に設立され、現在は中野区に位置する出版社。「写真作品集を芸術の花束として、世に送り出す」との理念のもと細江英公氏・土田ヒロミ氏・須田一政氏ら60年代を代表される写真家をはじめ1960年~2000年代の写真家を中心とした写真作品集制作をし続けている。弊社では写真集ではなく、「写真作品集」とし、写真作品集そのものが芸術作品であると考え、オリジナルインクを写真作品集ごとに作り表現するなど、オーダーメイドの写真作品集にこだわる。http://www.tosei-sha.jp/
おすすめの本
『洋子』
PHOTOGRAPHERHAL(フォトグラファーハル)
写真と洋子を愛してやまない作家フォトグラファーハル氏の情熱が伝わってくる作品集である。作家が今まで制作してきた、5つのシリーズで構成されています。本作品のメインのAyarl*シリーズ(*アヤーと読み、沖縄の言葉で「母」を意味する)では一人の人間からもう一人の生命が誕生するプロセスを初めて経験し、「出産」の神秘さに心を打たれた氏がそれらの思いを写真を通して形にするべく、母子の光の像で自然をつつみ込まれています。その姿はまるで人間と森羅万象が溶け合った、作家にとっての新たな「聖母マリア」像の誕生。そして3人家族の誕生となりました。(2022年発行)
『traverse(トラバース)』
渡部さとる
米沢から発った旅路は東京、フィリピン、パリ、モンゴル、中国、ニューヨーク…そしてまた米沢へ。さまざまな旅の断片には、匂いまで伝わってきそうなほど、その土地の空気が色濃く写っています。
「僕にとって写真を撮ることは見ることなのだ。旅を見るために写真を撮る。」
集積されたそれぞれの「現在地」から、”旅すること”そのものが見えてくるようです。
(2007年発行)
『カミサマホトケサマ国東半島』
船尾修
2023年に第42回土門拳賞を受賞した作家・船尾修氏が国東半島(大分県)で出会ったさまざまな祭礼の様子を集めた写真集。怪しげなお面を被った白装束の男たちや松明に灯された真っ赤な炎の写真を前に、やがて我々の精神も幽玄な世界へと誘い込まれていくーー。「この国東という半島には日本人がこれまで生きてきた古い時代の心の記憶がそっくりそのまま受け継がれているのではないだろうか」。船尾氏がそう感じ、今もこの半島に暮らしながら写真を撮り続ける理由が、この一冊に詰まっている。
『花泥棒』
細江英公
主役はちょっと奇妙でおかしな人形たち。みつあみの少女も、お腹を膨らませた妊婦も、女に目がないおやじも、あらゆる場所で自由気ままにおどけてみせる。モノクロームの世界の中で、小さな役者たちはなんていきいきと楽しそうにしているのだろう。人形でありながら生の快感に満ちているその表情は、若き日の細江栄公氏だからこそ引き出せたに違いない。人形も人間も、「一期は夢よ ただ遊べ」。
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