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ナナロク社
ナナロク社では2008年の創業以来、作家との出会い、企画編集、刊行後の展示イベントなどを一貫して行い独自の書籍をつくりだしてきました。これまでに刊行した100冊を超える中から、谷川俊太郎さんをはじめとした詩人、歌人たちの本を中心にお持ちします。今回は購入特典として、一冊一冊の具体的な編集意図や造本設計、制作時のさまざまなエピソードをまとめた冊子もご用意しています。詩歌の装丁にも興味がある方、自由に閲覧できる見本もたくさんありますので、どうぞお越しください。http://www.nanarokusha.com/
おすすめの本
『あたしとあなた』
谷川俊太郎 著
「読者の手に渡る一冊の詩集は、一個の工芸品だとも言える。」「中身の詩を飾るのではなく、詩を素手で差し出す器としての本」との谷川さんの言葉を現実にするため、本書に常識を超えるデザインを施したのは、装丁家の名久井直子さん。「一番大事なのは、目の前の言葉を載せる紙」というコンセプトから、本書の制作は「この本のためだけの特別な紙」を作ることからスタートしました。伝統の高級越前和紙で知られる製紙会社の協力を得て、しっとりとした質感の鮮やかなブルーの紙が誕生しました。まさに、日本の職人技から生まれた贅沢な一冊です。
『本の幽霊』西崎憲 著
歌人、小説家、翻訳家、音楽家、と多彩な活躍をする著者の短編小説集。本書の元となった一冊「ふゆのほん」は、もともと短い一篇だけの電子書籍で、書き下ろし5篇を加えたのが本書です。「電子から紙へ」という特異な生まれもあり、「本に擬態した本」というすこし入り組んだコンセプトで造本設計がされました。桃山鈴子さんによる装画は、実在するフランスの古本に直接「虫の絵」を描き込んだ作品ですが、まるで電子から紙に変容する際に生まれたバグ(虫)のようです。著者名と書籍名以外には情報がない、余白だらけの帯にもご注目ください。
『水上バス浅草行き』
岡本真帆 著
「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし」。多くの読者に愛された短歌に、親しみいっぱいの器を用意したいのが本書です。本のサイズは小学館の「てんとう虫コミックス」とほぼ同じ、書体(文字の種類)もマンガでよく使われるアンチック体という「ゴシック」と「明朝」を漢字やひらがなで使い分けた混合書体です。イラストは装丁の鈴木千佳子さん。カバーに描かれたスワンボートは、ナナロク社からも近い洗足池公園の様子です。このように本書使用のイラストはすべて、足で実際に観てきた風景なんですよ。
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