ロゴスと巻貝
-
小津夜景とは何者なのかが垣間見える
40篇の読書エッセイ -
山本貴光さん(文筆家・ゲーム作家)推薦
細切れに、駆け足で、何度でも、這うように、
本がなくても、わからなくてもーー
読書とはこんなにも自由なのですね、小津さん
小津夜景さんはフランス・ニース在住の俳人です。綴る文章は言葉のつながりが瑞々しく、しなやかな連想に魅力があります。これまでの著作では谷川俊太郎さんなどから帯の推薦コメントをもらい、書籍が文庫化するなど注目が集まっています。本書は単なる読書エッセイではなく、これまでの小津さんの人生と、そこから結びつく本の記憶を手繰り寄せ、芳醇な言葉の群で紡ぎ合わせ、過去と現在、本と日常、本の読み方、人との交際などについて綴った一冊になっています。
編集者のおすすめポイント
小津さんの本との付き合いは自由。流行りの本や気に入った著者にのみ傾倒するのではなく、時にそのときどきの境遇で出会った本に身をまかせ、時にその本の味を咀嚼できるまで何度も開くこともする方です。単なる読書エッセイではなく、本から生活の記憶を手繰り寄せ、当時の心情を豊かな語彙で結びつける、これまでの苦い生活の記憶も美化せずに切り取る潔さもある、この著者だからこそ選ぶことができる言葉が詰まったエッセイ。松岡正剛氏、池澤夏樹氏、谷川俊太郎氏という読書家が注目する俳人の、言葉と想像の糸の紡ぎ方が魅力の一冊です。