連載 アノニマ・スタジオのWeb連載です。レシピ、エッセイ、ものづくりレポート、街案内などなど。 日々のくらしのちょっとしたヒントをみつけに来てください。いつもの帰り道、お散歩がてらちょっと寄り道するときのように。

蔵前だより

引頭佐知さんのだしとり教室

新しい季節を迎え、つぎつぎにつぼみがほころんでは散りはじめました。
八百屋さんの店先にも、たらの芽、ウド、菜の花など
春ならではの野菜たちがならびはじめています。

繊細な春の味を生かした和食を自宅で味わうために
いちばん肝心なのがやっぱり「だし」。
かねてより“ちゃんと教わってみたい!”と思っていた「だし」について
とことん教わるために「引頭佐知先生のだしとり教室」へうかがいました。

教室は座学からはじまります。
まずはだしのうちで一番大事だという「昆布」について。
地図を見ながら、産地による昆布の違いを教わります。

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うまみがぎゅっと詰まってとってもおいしいだしの素材を
そのまま食べ比べて、自分の舌で違いを感じ取ります。

真昆布、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布それぞれの特徴や
にぼし、干し椎茸、かつおぶしなどのだし素材についての、
引頭先生の深い経験に基づいたエピソードがつぎつぎにとびだしてきます。
教わりながら活発に出された質問にも、即座に丁寧にお答えくださる引頭先生。
(くわしいご説明は、『引頭佐知さんのだしとり教室』をご覧ください!)

そしていよいよ、実践編です。

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こちらの4種類のだしを煮出し、味わいをくらべます。
写真は、3時間水につけておいた煮出す前のだし素材。
左上から、羅臼、利尻、真昆布、日高+にぼしです。

めったに味わうことのできない最高のだし素材を4種類、
煮出す前、煮出した後とを比較して味わうことができる、こんな機会はめったにありません。

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煮だした昆布は、元の色形に戻って、それぞれ一層個性が際立っています。
赤みがかった羅臼(前)、固めで緑色の利尻(上)、色が濃く厚い真昆布(右)と、
写真でみてもわかるほどに違います。

それぞれをじっくり味わって舌に覚えさせたら、いよいよお料理。

まずはこちらの、みずみずしい菜の花をつかったおひたし。

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この八方だしの美味しいこと!飲み干さずにはいられません。
後から器にさすために分けておくのがポイントだそう。

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続いて、だしとともに干し椎茸の旨みも味わう炊き込みご飯。

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こちらに三つ葉を混ぜこみます。
自宅で実践してみてびっくりしたのが、干し椎茸の戻し方。
引頭先生に教わった方法でもどすと、全然香りが違うのです。

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ウドのかき玉汁は、真昆布+本枯節の一番だし(つまり最高級!)で。
春の味わいを引き立てつつ、上品なだしの甘みもしっかり感じられます。
お庭からとってきて下さった、木の芽の香りとともに。

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まずはこちらの3品、できたてをいただきます。

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最後はこちら、あおさのお味噌汁です。
そのまま食べてもとまらなくなるほどおいしい「伊吹いりこ」でとっただしは、おかわりしたくなるおいしさ。
吸い口のへぎ柚子とあおさの海の香りに、だしとお味噌のハーモニー。
お腹も心も大満足のお料理でした。
(写真にはありませんが、ウドの皮のきんぴらも美味しくいただきました)

五感のすべてをフルに使って最高のだしを味わったためか、とても元気が出て
その夜は頭が冴えてなかなか寝付けないほどでした。

自宅では、だしがらを使った「小かぶの即席漬け」や「かつおのふりかけ」、
「切り干し大根のハリハリ漬け」に挑戦。
どのレシピも、こんぶやかつおぶしを最後までおいしく味わわせてくれました。

こつがわかると、だしとりは思ったより簡単!
毎日のごはんが変わるきっかけになりました。
引頭先生、ありがとうございました!

(update 2015.03.27)

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