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五味太郎「もみのき そのみを かざりなさい」展




『もみのき そのみを かざりなさい』編集裏話


五味太郎さんのクリスマス絵本、『もみのき そのみを かざりなさい』。
美しい絵と研ぎ澄まされた言葉の、なんとも不思議な感覚になる絵本。

この作品の初版は1981年(五味さんが30代なかばの頃)。
クリスマスカードの制作依頼を受けた五味さんが夜更けに絵を描き、壁にピンナップをしていて、それらの絵をふと見たときに「ことば」が降りてきて、めでたく「絵本」になった作品だそうです(本来のお仕事のクリスマスカードには、別の絵を描かれたよう、笑)。

この絵本、ずいぶん前に大好きな古本屋で見つけて、自分のクリスマスプレゼントにしていました。毎年12月になると、読んで飾って、自分の中ではクリスマスツリーを飾るような恒例イベントのひとつ。自分だけではなくて友人にもプレゼントしたいなあ、と思っていたので、五味さんとお会いしたときに直談判して、今回の復刊に至りました。
すべて原画からスキャンしなおし、今の気分に合うレイアウト、用紙などを試したこだわりの仕様。お持ちの方は1981年のリブロポート版、2000年の文化出版局版と見比べていただけたら、と思います(「森岡書店」さんの展示では会場に置いておきますね)。

「クリスマス」っていろんなものを纏っています。
おごそかだったり、神聖だったり、ワクワクしたり。
この絵本はそういう「空気感」を、ふだん使えていない感覚で味わうことができる、次元のちがう作品だなあと思っています。

そのままプレゼントしてもらえるようにつけた星形の銀色シール。
五味さんに手書きのメッセージをお願いして、書いていただいた言葉は「とくべつなひとへ」。五味さんって、ほんとうにかっこいいのです。

アノニマ・スタジオ 編集 村上妃佐子







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