アノニマ・スタジオWebサイトTOP > Hello!屋久島だより もくじ > 08 謎みかんと雨の恵み。
世界自然遺産、屋久島。「海上のアルプス」とも呼ばれ登山のイメージが強い島ですが、登らずとも楽しめる自然やスポットがたくさんあります。そんな屋久島の知られざる魅力を紹介している旅ガイド『Hello!屋久島』。屋久島の港、宮之浦で一湊珈琲焙煎所を営んでいる著者の高田みかこさんが、旬の屋久島情報をお届けします!
08 謎みかんと雨の恵み。
20度近い日が続くこの冬も、ちゃんと季節は巡っていたらしく、玄関先にダンボールいっぱいのみかん。ポンカンとともに入っていたのは、濃いオレンジ色でポンカンよりもやや大ぶりの謎みかん。キャリーケースやダンボール、ビニール袋や紙袋、入れ物はさまざまにこの季節はあちこちで山盛りの柑橘類が行き交います。
数日後、「玄関に置いといたよ」なんて贈り主がわかることもしばしば。
ポンカンとタンカンという2大特産品は有名ですが、それ以外にも島の中でだけ流通する謎みかんがたくさんあります。
コーヒー豆を卸しに月に1、2度足を伸ばす南部の直売所「ぽんたん館」(『Hello! 屋久島』p94-95)では、そんな謎みかんが入れ替わり立ち替わり登場します。中には「先代が植えた名前がわからない樹なので、試食して気に入ったらどうぞ」なんてものも。ひと抱えもある大きな文旦から、自家用の小ぶりな金柑まで、大きさも様々。行くたびに食べたことのないものを率先して買い物カゴへ。
直売所や沿道のそこかしこに設けられた無人市が、ひときわ華やかに目をひく冬。12月から3月ごろまで、オレンジ色のグラデーションは、緩やかに入れ替わりながら、目も鼻も楽しませてくれます。
もうひとつの楽しみが、船行バス停のピンク色の道。背丈をはるかに超える大きなサザンカ(山茶花)の並木が満開になって散るまで、12月の1カ月間ほど景色を楽しめます。
都会で見るきれいに刈りそろえられたそれとは違って、のびのびと枝を広げるサザンカは、強い香りを放ち、鮮やかな色合いと相まって、夢の中にいるような心持ちになるのです。
風が吹くたび、雨が降るたびに「花が散る、花が散る」と過ごしていたら、目の前に強風で折れたムラサキシキブの枝がぶらり。そして雨上がりには、虹がくっきり。
年明けの大雨は、お隣、口永良部島の噴火で農作物に降り積もった灰もすっかり洗い流してくれました。
鹿児島・マルヤガーデンズ4Fの「D&DEPARTMENT鹿児島」では2月20日まで、東京・渋谷ヒカリエの8Fの「d47 design travel store」では2月27日まで、コーヒーイベント開催中。「一湊珈琲焙煎所」のコーヒー豆とドリップパックをお求めいただけます。
3月と4月には、東京に出向いてのイベントも計画中。
詳しくは、改めてお知らせします。
『Hello!屋久島』
全国書店にて好評発売中<<連載もくじ
高田みかこ(たかた・みかこ)
屋久島の北の港町、一湊育ちの島ライター。東京の出版社に勤務したのちUターン。現在は、宮之浦のフェリービルディングで「一湊珈琲焙煎所」と一組限定の貸しコテージ「おわんどの家」を夫婦で営む。単行本の編集、里の取材コーディネイト、WEB サイト「屋久島経済新聞」「やくしまじかん」に執筆中。
issou-coffee.com
アノニマ・スタジオWebサイトTOP > Hello!屋久島だより もくじ > 08 謎みかんと雨の恵み。
Copyright(c) Mikako Takata & anonima-studio