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04 6月、水無月と茅の輪くぐり。
半分すんだら、半分はじまる。
6月は、1年の折り返し。
旧暦でいえば、水無月。水無月というと、和菓子。
6月になると、「そや。水無月、食べな」と、なります。
氷に見立てた、三角形のういろう。
みっちりのった小豆は、厄除。
旧暦の6月1日、宮中で氷室の氷を取り寄せて
暑気払いしたことにあやかってできたそうです。
暑い夏を乗り越えて、また半年、
元気でいられますように。
水無月には、そんな願いが込められています。
とても素朴で、正直いえば、水無月より柏餅が好き。
けど、食べないと落ち着かない。
慣わしとはえらいものです。
6月の、6のつく日に、紫陽花をトイレに吊るす。
これも毎年の慣わしです。
ご近所の知恵袋のような、おばちゃんが言うには、
下の病気にならへん、健康祈願。
うちではおばちゃんに慣らって、半紙に包み、
水引で結んで吊るします。
ブーケみたいで、それがとても愛らしい。
準備するのも楽しいです。
けれど、きれいなのは束の間で、 たちまちのうちにからからに枯れて、 知らない人からしたら、 ゴミみたいになってしまうのですが……。
それでも一度はじめると、
毎年やらずにはいられません。
紫陽花の名所も楽しみのひとつ。
宇治の
どちらも見頃を迎えています。
気軽に立ち寄れる近さも、京都の良さ。
あまり知られていないかもしれませんが、
東山七条の
用事のつづきで気分転換。
梅雨の雨は恵み、雨上がりはなおきれいです。
「もう水無月!」「もう紫陽花!?」……、
毎年の慣わしに時の流れを気づかされて、
ちょっとぞっとしますが、
一年が半分過ぎたと自覚するのはよいこと。
足もとを見つめ直す、これはチャンス。
元旦の計を思い出し
(そういえばなんだっただろう…)、
ここまで無事にやってこられたことに感謝して、
いざ、仕切り直し。
節目を感じることは、
ちゃんと生きるための知恵なんやなと思います。
6月30日は、夏越しの祓。
半年の穢れを落とし、
これから半年の無病息災を願って、
茅の輪くぐりをします。
全国各地で行われていて、
京都でもあちこちの神社であります。
6月下旬になると、茅の輪がお目見えし、
だれでも自由にくぐることができますが、
本番はやはり、6月30日。
この日にお参りするのが好きで、
毎年いろんなところでお祓いしてもらっています。
神社によっては、人の形を模した、
紙の形代に名前や年齢を書いたり、
身体を撫でたり、紙吹雪で身体を清めたり。
その後、お焚き上げをしたり、
川に流したりして、厄落とし。
つづいて、神職の方々について、
茅の輪をくぐります。
参列するのは、大半が氏子さんたち。
しずしずと心をひとつにして、みんなでくぐる。
静かな連帯感があって、清らかな気持ちになります。
神社にもよりますが、茅が持ち帰れたら、
小さな輪をつくり、門口へ掲げて、
災厄から免れる、お守りにします。
よく玄関先に掲げられている、祇園祭の粽も同じ。
どちらも家族を思う、願いの表れです。
茅の輪くぐりがすんだら7月、祇園祭。
京都の夏がはじまります。
小豆でできた、氷の花
下鴨神社の境内にある、「さるや」さんは、夏のかき氷がとてもおいしいのですが、ぜひこちらも注目してほしい、「氷の花」。
旧暦の6/1、下鴨神社の氷室開き神事にて、「ゆずり葉を敷いた氷」がお供えされることにちなみ、古くから邪気を祓うといわれる小豆でつくる、氷菓です。
丹波大納言小豆の、自然な風味そのままで、小豆好きなら感激必至です。
お参りの後、無病息災を願って、どうぞ。
6月は、1年の折り返し。
旧暦でいえば、水無月。水無月というと、和菓子。
6月になると、「そや。水無月、食べな」と、なります。
氷に見立てた、三角形のういろう。
みっちりのった小豆は、厄除。
旧暦の6月1日、宮中で氷室の氷を取り寄せて
暑気払いしたことにあやかってできたそうです。
暑い夏を乗り越えて、また半年、
元気でいられますように。
水無月には、そんな願いが込められています。
とても素朴で、正直いえば、水無月より柏餅が好き。
けど、食べないと落ち着かない。
慣わしとはえらいものです。
6月の、6のつく日に、紫陽花をトイレに吊るす。
これも毎年の慣わしです。
ご近所の知恵袋のような、おばちゃんが言うには、
下の病気にならへん、健康祈願。
うちではおばちゃんに慣らって、半紙に包み、
水引で結んで吊るします。
ブーケみたいで、それがとても愛らしい。
準備するのも楽しいです。
けれど、きれいなのは束の間で、 たちまちのうちにからからに枯れて、 知らない人からしたら、 ゴミみたいになってしまうのですが……。
それでも一度はじめると、
毎年やらずにはいられません。
紫陽花の名所も楽しみのひとつ。
宇治の
三室戸寺
①、大原の三千院
②、藤森神社
③や梅宮大社
④……、どちらも見頃を迎えています。
気軽に立ち寄れる近さも、京都の良さ。
あまり知られていないかもしれませんが、
東山七条の
智積院
⑤にも紫陽花がたくさんあって、用事のつづきで気分転換。
梅雨の雨は恵み、雨上がりはなおきれいです。
「もう水無月!」「もう紫陽花!?」……、
毎年の慣わしに時の流れを気づかされて、
ちょっとぞっとしますが、
一年が半分過ぎたと自覚するのはよいこと。
足もとを見つめ直す、これはチャンス。
元旦の計を思い出し
(そういえばなんだっただろう…)、
ここまで無事にやってこられたことに感謝して、
いざ、仕切り直し。
節目を感じることは、
ちゃんと生きるための知恵なんやなと思います。
6月30日は、夏越しの祓。
半年の穢れを落とし、
これから半年の無病息災を願って、
茅の輪くぐりをします。
全国各地で行われていて、
京都でもあちこちの神社であります。
6月下旬になると、茅の輪がお目見えし、
だれでも自由にくぐることができますが、
本番はやはり、6月30日。
この日にお参りするのが好きで、
八坂神社
⑥、吉田神社
⑦など、毎年いろんなところでお祓いしてもらっています。
神社によっては、人の形を模した、
紙の形代に名前や年齢を書いたり、
身体を撫でたり、紙吹雪で身体を清めたり。
その後、お焚き上げをしたり、
川に流したりして、厄落とし。
つづいて、神職の方々について、
茅の輪をくぐります。
参列するのは、大半が氏子さんたち。
しずしずと心をひとつにして、みんなでくぐる。
静かな連帯感があって、清らかな気持ちになります。
神社にもよりますが、茅が持ち帰れたら、
小さな輪をつくり、門口へ掲げて、
災厄から免れる、お守りにします。
よく玄関先に掲げられている、祇園祭の粽も同じ。
どちらも家族を思う、願いの表れです。
茅の輪くぐりがすんだら7月、祇園祭。
京都の夏がはじまります。
京のおやつ
小豆でできた、氷の花
下鴨神社の境内にある、「さるや」さんは、夏のかき氷がとてもおいしいのですが、ぜひこちらも注目してほしい、「氷の花」。
旧暦の6/1、下鴨神社の氷室開き神事にて、「ゆずり葉を敷いた氷」がお供えされることにちなみ、古くから邪気を祓うといわれる小豆でつくる、氷菓です。
丹波大納言小豆の、自然な風味そのままで、小豆好きなら感激必至です。
お参りの後、無病息災を願って、どうぞ。
著者プロフィール
宮下亜紀(みやした・あき)
京都に暮らす、編集者、ライター。
出版社にて女性誌や情報誌を編集したのち、生まれ育った京都を拠点に活動。「はじめまして京都」(共著)のほか、「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」(イノダコーヒ三条店初代店長 猪田彰郎著)、「絵本といっしょにまっすぐまっすぐ」(メリーゴーランド京都店長 鈴木潤著、共にアノニマ・スタジオ)、「雑貨店おやつへようこそ 小さなお店のつくり方つづけ方」(トノイケミキ著、西日本出版社)など、京都の暮らしから芽生えた書籍や雑誌の編集を手がける。
www.instagram.com/miyanlife/
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