このレシピに『ひき肉をこねる』という作業がないのは、書き忘れではありません。つなぎを使わないタイプのパティは、こねると仕上がりが硬くなりすぎてしまうので、あえてこねないのです。こねたくなるお気持ちは良く分かりますが、牛肉のうまみを味わうためと思って、ここはグッとこらえてギューっと丸めてから成形してください。
仕上げに使うウスタシャー(ウスターシャー)ソースは、のんびりしているとあっという間に蒸発してしまうので、手早く作業を進めましょう。これは、日本のウスターソースのような甘みはありません(リー&ペリンのものが有名ですね)。この料理以外の使い道としては、ハヤシライスの隠し味、デミグラスソースやミートソース、甘味が強めのお好みソースに少し加えると、味が引き締まって大人味になります。でもここだけの話、小さなお子さんと一緒に召し上がる場合は、日本のウスターソースをご利用いただいても大丈夫です。
焼いているところ
丸めたところ



<<連載もくじ ごあいさつ>>

読んで、作って、楽しめるメアリー・ポピンズの世界

台所のメアリー・ポピンズ
おはなしとお料理ノート

作:P.L.トラヴァース
絵:メアリー・シェパード
おはなし訳:小宮由
お料理訳:アンダーソン夏代
本体価格1600円(税別)

「メアリー・ポピンズ」という名前を、聞いたことはあるけれど、お話は読んだことがない、という方もいらっしゃるかもしれません。児童文学の定番であり、多くの読者が世界中にいるシリーズの主人公です。この本には、ファンの方であればより楽しめ、はじめて出会う人には「入門」になるようなお話の世界が1週間分に凝縮されています。そして一番の特徴は、メアリー・ポピンズのお料理ノート。子どもだけで出来る簡単なメニューから、大人もはじめて挑戦するようなイギリスの伝統料理、読むだけでもいろんな想像が膨らむレシピをお楽しみください。


『台所のメアリー・ポピンズ』詳細ページへ>