去る6月28日(金)の夜、パタゴニア横浜店にて服部雄一郎さんと坂野晶さんによるトークイベント「プラスチックフリーって可能なの?」が行われました(主催:Spiral Club)。
ベア・ジョンソン著『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の翻訳者である服部さんは現在高知県の山奥在住で、ご家族みんなでサステイナブルな暮らし方を実践されています。
このたび新刊『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)を翻訳された服部さんに、NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー理事長の坂野晶さんがプラスチックごみ問題について質問していくところからお話がはじまりました。
とくに近頃話題のマイクロプラスチックは、ここ数年の報道によってようやく表に出てきた問題。悪いなんて思ってもみなかったさまざまなものが、実は環境や健康に悪影響があるということに大きなショックを受けている人がたくさん参加されていました。
マイバッグやマイボトルの持ち歩きなどをすでに実践している方も多く、次はなにをしたら良いのか?と悩む人が多いようです。とはいえ、欧米と違って食品包装などのパッケージを完全にゼロにすることが日本では難しいのが現状。そこで服部さんのおすすめは、身の回りの長く使うものをプラスチックフリーのものに買い替えていくこと、そして材質チェックを徹底すること。服部さんはアノニマ・スタジオの連載(ゼロ・ウェイスト・ホームへの道 最新回)でも書かれているように、身近にあるもっとも危険な「ポリ塩化ビニル」を見分けることからはじめたそうです。
とにかく大切なことは「あきらめないこと」。できないことにばかり目を向けてしまうと無力感にとらわれて、せっかくはじめた取組みをやめてしまうことに。とにかく楽しんで、できることから少しずつ実践していくことが一番大切、とお話されていました。
おふたりのトークのあとは、参加者同士で自己紹介&実践していることの情報交換タイムがはじまりました。会場に集まっていたのは、小学生から大学生までの学生さんをはじめ、年齢も性別も職業も多様な方々。学生さんたちはとくに積極的に、自分の考えていることや実践していることをお話されていたのが印象的でした。
会場のパタゴニア横浜店には、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の書籍とともにベア・ジョンソンさんの提唱する5R(断る/Refuse、減らす/Reduce、繰り返し使う/Reuse、リサイクルする/Recycle、堆肥化/Rot)の展示や、スタッフのみなさんのゼロ・ウェイストの取組みがたくさんの写真とともに紹介されていました。パタゴニア横浜店さんでは3年前から、バックヤードのごみ箱を撤去するなどごみの削減に取り組まれています。今後の活動にもご注目ください。
また、今回の主催者であるSpiral Clubは、「環境について話そう!」をテーマに活動をしているオープンコミュニティで、サステナブルな社会を実現しようと環境に関する活動や発信をしています。WEBサイトでは、様々な立場・視点から環境問題について語られていたり、取り組みが紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。
(update 2019.07.18)