
強さが自慢のハーブ
24 赤紫蘇

雨が続きます。 庭仕事ができないのは残念ですが、 緑を眺めているだけでも気分が良いものです。
梅雨に入る頃になると、 緑色の中に紫色がちらほらと見えてきます。 私はこの緑と紫の組み合わせがとても好きです。 カラフルな庭も楽しいですが、紫色が加わると、 落ち着ついた雰囲気になるのが気に入っています。


紫色の葉っぱを持つ植物はいろいろありますが、 こぼれ種で勝手に育ち、 ついでに食べて美味しいという理由で赤紫蘇をおすすめします。
紫蘇は日本のハーブですから、 私たちが住む環境によく合います。 発芽率がとても良く、元気に育ちます。
赤紫蘇だけでなく、仲間の青紫蘇も 同じようによく育ちます。 どちらもこぼれ種に任せるだけなのに、 あちこちから芽が出て、その後、 ほったらかしにしていても大丈夫という 頼もしいハーブなのです。

暑さを感じはじめる頃に芽を出す赤紫蘇は、 雨を吸ってぐんぐん大きくなっていきます。 つい先日までほんの小さな葉っぱだったはずなのに、 あっという間に、お店で見かけるような 大きさに育ちました。
このまま育てていくと、 庭は赤紫蘇に占拠されてしまうので、 間引きがてら採取します。

間引きした赤紫蘇で、赤紫蘇ジュースを作ります。
さっと煮て、甘味と酸味を加えるだけでできあがり。
梅雨の鬱陶しい時期にぴったりの爽やかな美味しさです。


ジュースを作った後の赤紫蘇は、 乾燥させて、ふりかけにします。
赤紫蘇は、もみ紫蘇にして梅干し作りにも使いますし、 少し先になりますが、梅干しが出来上がったら、 もみ紫蘇を天日干しするだけでゆかりに。
赤紫蘇も青紫蘇も、余ることがあれば、 塩漬けや醤油漬けにしておくのがおすすめです。
夏の間にできる穂紫蘇も見逃せません。 こちらも塩漬け、醤油漬けに。 いずれも素晴らしいご飯のお供になります。



使い道がたくさんある赤紫蘇、青紫蘇は、 また来年も出てきもらうために、 大きな株に育っても良い場所は残します。
そのうちに小さなかわいい花をつけ、 たくさんの種をつけてくれるでしょう。 秋にはその種が庭のあちこちに飛んでいき、 来年また、かわいい芽となり、再会できるはず。

そして梅雨の合間に、間引きしてジュースを。 そんな循環を毎年楽しんでいます。
季節の変化や流れを感じながら、 美味しいものを頂けるのはこの上なく幸せです。 それも、勝手に育ってくれるなら、 こんなに楽しいことはありません。 毎年ありがとうねと赤紫蘇に 感謝しながらいだきます。

紫蘇ジュース
【材料】(作りやすい分量)
赤紫蘇(または青紫蘇) 40~50枚
てんさい糖(またはきび砂糖など好みの砂糖) 120g
リンゴ酢 カップ50cc~100cc
1)紫蘇の葉をよく洗う。
2)鍋に水1Lを沸かし、沸騰したら1)を入れ、5分ほど煮る。
3)紫蘇の葉を取り出し、てんさい糖を入れ、よく混ぜて溶かす。
4)リンゴ酢を加えてできあがり。
*酸味、甘みは好みで調整してください。

紫蘇ふりかけ
【材料】(作りやすい分量)
紫蘇ジュースに使った紫蘇の葉
(上記レシピの分量で作った場合)
酢 大さじ1
塩 好みの分量
1)紫蘇の葉に酢を加え、保存袋などに入れて1晩置き、なじませる。
2)袋から出し、水気をよく絞り、葉を広げ、天日干しにして乾かす。または100℃にあたためたオーブンで、天板に葉を広げ、1時間ほど焼く。
3)水分が飛んだら、保存袋の中などに入れ、潰して粉状にし、塩を加える。

良原リエ
音楽家。アコーディオニスト、トイピアニスト、トイ楽器奏者として、映画「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」、NAOTのショートムービー「ナオトのリズム」をはじめ、TV、アニメ、CM、ミュージカルなどの演奏、制作に関わる。トイ楽器を用いたライブやコンサート、子ども、親子向けの音楽会、ワークショップなども多数行っている。著書に『まいにちの子そだてべんとう』『たのしい手づくり子そだて』(アノニマ・スタジオ)『トイ楽器の本』(DU BOOKS)など。
instagram ID : rieaccordion
庭専用instagramID : rieaccordion_garden
http://tricolife.com/

食べられる庭図鑑
良原リエ定価 1760円(本体価格1600円)
広い庭がなくても大丈夫! 小さな庭やベランダで始められる、家庭菜園や庭作りのアイデアをたっぷり紹介。「野菜」「ハーブ」「果樹」「雑草・野草」など、育てて楽しい、食べて美味しい植物88種と簡単なレシピを掲載。一年を通して自然に親しむ暮らしを提案します。
◆もくじ
はじめに
庭作りの前に
(1)育てる場所 (2)道具 (3)コンテナ (4)土 (5)肥料 (6)種や苗・苗木 (7)植え方 (8)水やり (9)虫との付き合い方 (10)植物を知る
1章 まずはこれから! 簡単栽培
クレソン/葉ネギ/ラディッシュ〈二十日大根〉/サフラン/ベビーリーフ・スプラウト
2章 強さが自慢のハーブ
ルッコラ〈ロケット〉/バジル/赤ジソ・青ジソ/ミント/タイム/カモミール/レモングラス/ローズマリー/セージ/オレガノ/フェンネル/パセリ/コリアンダー/エゴマ
3章 虫と無縁のベリー
ブラックベリー/ブルーベリー/イチゴ/野イチゴの仲間/ジューンベリー/クワ/グミ/ラズベリー/グーズベリー/クランベリー
4章 花を楽しみ、さらには食べる
エンドウ/ボリジ/マロウ/チコリ/フェイジョア/キンモクセイ・ギンモクセイ/エディブルフラワー/チャイブ
5章 勝手に育つ雑草野草
ユキノシタ/ミョウガ/ドクダミ/ヨモギ/ニラ/スベリヒユ/タンポポ
6章 太陽の恵みの夏野菜
トマト/キュウリ/ゴーヤ/オクラ/ナス/ピーマン/インゲン/エダマメ/トウガラシ/スイカ/ヘチマ
7章 植えっぱなしの果樹
ブドウ/イチジク/ユズ/キンカン/レモン/ユスラウメ/ヤマモモ/ビワ
8章 気軽に育てるキッチンガーデン
クウシンサイ/レタス/シュンギク/ホウレンソウ/ジャガイモ/セロリ/ミツバ/ローリエ
9章 虫と仲良く育てよう
コマツナなどのアブラナ科の葉菜/キャベツ/コールラビ/カブ/ダイコン/ニンジン
10章 あると楽しい! おすすめ品種
アスパラガス/ラッカセイ/ルバーブ/スイゼンジナ/ツルムラサキ/スイスチャード/シカクマメ/キクイモ/ヒマワリ
11章 サスティナブルな庭作りのヒント
ビオトープガーデン/虫と仲良く/鳥を呼ぼう/蝶を呼ぼう/カエルがいれば/雑草と仲良く/我が家の土作り/勝手に育ってもらおう
コラム もっと植物と仲良くなるアイデア
台所から育てよう/植物をもっと楽しむアイデア1/刺されないように。でも刺されたら/植物をもっと楽しむアイデア2/気をつけたい、食べられない植物/コンポストをはじめよう/レンタル農園のすすめ/まだまだある! 食べられる身近な植物
おわりに
索引
はじめに
庭作りの前に
(1)育てる場所 (2)道具 (3)コンテナ (4)土 (5)肥料 (6)種や苗・苗木 (7)植え方 (8)水やり (9)虫との付き合い方 (10)植物を知る
1章 まずはこれから! 簡単栽培
クレソン/葉ネギ/ラディッシュ〈二十日大根〉/サフラン/ベビーリーフ・スプラウト
2章 強さが自慢のハーブ
ルッコラ〈ロケット〉/バジル/赤ジソ・青ジソ/ミント/タイム/カモミール/レモングラス/ローズマリー/セージ/オレガノ/フェンネル/パセリ/コリアンダー/エゴマ
3章 虫と無縁のベリー
ブラックベリー/ブルーベリー/イチゴ/野イチゴの仲間/ジューンベリー/クワ/グミ/ラズベリー/グーズベリー/クランベリー
4章 花を楽しみ、さらには食べる
エンドウ/ボリジ/マロウ/チコリ/フェイジョア/キンモクセイ・ギンモクセイ/エディブルフラワー/チャイブ
5章 勝手に育つ雑草野草
ユキノシタ/ミョウガ/ドクダミ/ヨモギ/ニラ/スベリヒユ/タンポポ
6章 太陽の恵みの夏野菜
トマト/キュウリ/ゴーヤ/オクラ/ナス/ピーマン/インゲン/エダマメ/トウガラシ/スイカ/ヘチマ
7章 植えっぱなしの果樹
ブドウ/イチジク/ユズ/キンカン/レモン/ユスラウメ/ヤマモモ/ビワ
8章 気軽に育てるキッチンガーデン
クウシンサイ/レタス/シュンギク/ホウレンソウ/ジャガイモ/セロリ/ミツバ/ローリエ
9章 虫と仲良く育てよう
コマツナなどのアブラナ科の葉菜/キャベツ/コールラビ/カブ/ダイコン/ニンジン
10章 あると楽しい! おすすめ品種
アスパラガス/ラッカセイ/ルバーブ/スイゼンジナ/ツルムラサキ/スイスチャード/シカクマメ/キクイモ/ヒマワリ
11章 サスティナブルな庭作りのヒント
ビオトープガーデン/虫と仲良く/鳥を呼ぼう/蝶を呼ぼう/カエルがいれば/雑草と仲良く/我が家の土作り/勝手に育ってもらおう
コラム もっと植物と仲良くなるアイデア
台所から育てよう/植物をもっと楽しむアイデア1/刺されないように。でも刺されたら/植物をもっと楽しむアイデア2/気をつけたい、食べられない植物/コンポストをはじめよう/レンタル農園のすすめ/まだまだある! 食べられる身近な植物
おわりに
索引
アノニマ・スタジオWebサイトTOP > 食べられる庭図鑑 もくじ >【強さが自慢のハーブ】24 赤紫蘇
Copyright(c) Rie Yoshihara & anonima-studio