<<連載もくじ はじめに>>
カブトムシ・クワガタのとり方
真っ暗な森。身体にまとわりつく湿気と暑さ。長袖に汗がにじむ。一昨日の雨の影響で足元がぬかるんでいる。もうズボンの裾などあっという間にドロドロだ。足が重い。懐中電灯を点灯させた途端、行く手に突然光る4つの点。なんだ?ネコか。びっくりした。夫婦かな?まだ森の入り口。街の灯が洩れてくる。気を取り直して闇の奥へ。さっきよりもっと大きい光だ。あ、タヌキ!奥へ行くほど虫の音が響き、樹液の甘酸っぱい匂いが漂ってくる。ここは梅雨明けの里山、雑木林の中。歩いて数分で汗が吹き出してくる。今日のお目当ては子どもたちのヒーロー、カブトムシそしてクワガタ。
ヒトスジシマカが頬に近寄る。クサカゲロウが優雅に舞う。思わず口を閉じる。こいつら苦いもんな。樹間を飛んできるのはアケビコノハかムクゲコノハ?ブーンと羽音を響かせているオオスズメバチかな?モンスズメもいたな。さあ、お目当てのアベマキの林だ。エダナナフシがひょいひょいと歩き、根本近くにはマダラカマドウマがじっとしている。ノコギリカミキリは子どものころからあまり人気は無いがよく見るとカッコいい。この木には樹液が出ていない、次に行くか。
お、いい匂いがするぞ。樹液だ。お、いたいた。夜のレストランは大盛況。カブトムシのメスが一番いい場所をぶん取って、その周りにはノコギリクワガタが。ヨツボシケシキスイは隅っこで小さくなって、蛇ほどの長さのムカデが音も立てずに動き回っている。子どもたちは歓声を上げ目を輝かせている。あんまり口を開けて上を向いていると虫を食べちゃうぞ。そして今までにない大きな羽音が!カブトムシのオスが飛んできた!よーし、慎重にな。カブトムシのでっかいオスを捕ったぞ!やったね!同じ木にたくさんいることもあるからよーく見てごらん。
つい先日、私の住む愛知県名古屋市の東端の名東区にある「猪高緑地」を夜歩いた時の話。いつまでの子どもたちの憧れであり続ける、カブトムシ、そしてクワガタ。こういった昆虫にどう親しむのか、どうやって捕まえればいいのか、続きは本編で。
竹本大輔(たけもと・だいすけ)
1973年生まれ。大阪市阿倍野区西田辺町で生まれ育つ。幼少の頃は「三度の飯よりも昆虫好き」。山に川に海に出かけては、捕虫網を振り回している子ども。小5の時に、友だちとふたりで出かけた山中での初めての野宿に感動、それ以来キャンプは生活の一部になる。大学生の時は、YMCAでキャンプリーダーとして子どもたちとのキャンプに明け暮れ、現在は自分の家族や友人とキャンプという、今も昔も変わらない趣味。現在は愛知県名古屋市在住。妻と子ども3人(小5女の子、小2男の子、2歳女の子)の5人家族。「付き合ってあげよっか」というノリで私の趣味に付き合ってくれる理解ある家族。
仕事は、冷温水機能のついたウォーターサーバーと天然水ボトルを宅配する会社。ブランド名は「アクアセレクト」。三重県の伊勢神宮ゆかりの天然水を届けている。ウォーターサーバーの宅配を通じて「田舎と都会を結ぶ架け橋」をスローガンに、都市部のお客様を採水地である田舎部へお連れするということも年間を通し行っている。その中でたくさんのご家族と天然水の採水地を訪れ、「自然に親しむということとはどういうことなんだろう」と別の視点からも考えるように。
春は野草観察、山菜採り、家庭菜園。梅雨になれば梅干し、梅酒つくり、そしてカブトムシ捕り。夏には、夜の川に潜りウナギ捕り。海に出てはカヤックやヨット。秋には木の実を探し歩き、登山を楽しむ。冬には雪山登山やスキー。まだまだ子どもが一緒に楽しめないものもあるが、一年を通してアウトドアライフを楽しんでいる。