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 ※シャラドはインドの言葉で<秋>です

● 9月 _1
 目に見えない大切なものに気づく 

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インドのヨーガアーシュラム (ヨーガ道場) に滞在していたとき、
毎晩のように停電になり、ろうそくの明かりで闇夜を過ごしました。
ろうそくの明かりだけだと、できることはかなり限られるので、
静かに時 (とき) を過ごします。 
まわりの光景が消え失せて、大切なことが見えてくる気がしました。
それは目で見えるものではなく、目に見えないものが大切なのだ
と気づく時間です。

ガンジス川のほとりのヨーガ道場で停電になると、
川の音がいつもより大きく聴こえました。
明かりがついていると、目の働きが優位になり、
目に見える物が優先されます。
でも暗闇だと耳の働きが優位になるからです。

インドの停電の夜、ろうそくを灯して
ガンジスの川の音をただ静かに聴いていました。
その音を聴いていると古代からこの流れの音があり、
しかも祈りを捧げられてきたガンジス、
そのほとりに滞在していることを幸せに思いました。
悠久の川の流れの音の中に私自身が溶けて、
私のエゴも消えていくような
瞑想的な時 (とき) の流れでした。



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