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「ちよがみ交換はこう遊ぶ」

chiyogami                  

ちよがみこうかんしよう、といって
おんなの子が3人以上集まると遊びがはじまる。

 輪になって座り、
 それぞれ持ちよった、
 だいじなコレクションから、一枚ずつ、
 いっせいのせっ、で「場」に出す。
 じゃんけんして、
 勝った子が「場」に出ているちよがみがもらえる。

  1枚しかない貴重な多色刷りは
  「色つき」と呼ばれ、
  ジョーカーのようにオールマイティな力で、
  場のちよがみ全部をかっさらっていったり、
  1回こっきりの「色つき対戦」で
  華々しくあそびを締めくくったりする、役付きの紙。

私が遊んだちよがみとは、
この多色刷りの1枚が一番上になったセットで、
単色刷りが1柄につき6枚くらいで5〜6種類、
およそ30枚くらいがセロファンでくるまれている。

 セロファンを取ってみて、はじめて中の柄がわかるので、
 ひんぱんにがっかりする買い物でもある。


小学校の通学路に、
駄菓子屋さんと、文房具屋さんがあったころ。
放課後ほとんどが遊びの時間だったころ。
テレビではサリーちゃんや仮面ライダー。 

 文房具屋さんに行くと、
 アイドルの下敷きや、香り付き消しゴムが売られ、
 駄菓子屋さんに行くと、
 くどい色のゼリー菓子なんかに混ざって、
 ちよがみが売られていた。

  数十円で手に入れた、「かわいい」や「きれい」には力があった。

   

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