<< 前  目次  次 >>



1階は食料品、2階にはありとあらゆる雑貨屋や食堂、
1階を見下ろせる回廊沿いには衣料品店が並ぶ。
回廊から1階にある軽食やジュースを売っている店の
おばさんの仕事ぶりに見入る。

  おばさんの、おでこのちょっと上、頭のあたりには
  視線感知センサーがついている。
  センサーはズバリ、私の視線を感知。
  おばさん、こちらをピンポイントでみあげる。
  そして、にーっと笑う。

  にーっと笑って大きな水色のたらいの中でこねている
  とうもろこしの粉をこぶし大手にとって、
  ポンポンと丸めて片手でプレス機の上に「えいっ」と投げる。
  もう、一方の手で蓋ぎゅーっとしめてパッと開けて
  「さぁ!ごらん!見事に、まーるく、ぺっちゃんこに広がってるでしょ」
  と見上げてまたニッーっと笑う。

   あんまりにもかわいらしい。思わず笑いが声になっちゃう。
  「さぁ!ごらん!」
     「キャハハハハ!」
   「さぁ、さぁ、何度でも丸くぺっちゃんこにしてあげるよ!」
      「キャハハハハ!」
    「あんたどうかしてるよ、、、」
        「キャハハハハ!」
      「参ったねぇ、、、」
         「キャハハハハ!」
             あまりにもおかしいので、おばちゃんの店で何か買おうかと降りる。

<< 前  目次  次 >>


copyright 2009 anonima studio