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  せめて簡単な自己紹介とかせめて挨拶とか数の数え方とか
   そんなこと知ってるだけでもちがうのに。

   困り果てていると、彼女は何かひらめいたように小さくひとこと言って、
   紙に描いた絵の単語を教えてくれはじめた。
   復唱しろというので復唱。
      この展開はなんか、望んでないんだけど、、、
       こんな公園の真ん中で照れくさいんだけど、、、
 
          「それじゃだめよ!」とやり直させられるので
          やけくそに「フェンテ!」って叫ぶ。4回目、
          「よろしい」彼女はそう言って満足な顔になった。
          フェンテって噴水のこと。そう、噴水の絵を描いていたのだった。


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