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楽団は歌いながらちょっと進んでは立ち止まり可笑しな話をしたり
(おかしいのかどうか、さっぱりわからないけれど皆、わはははと笑っているので可笑しいのだろう)
とびきり歌の上手い大男が音頭をとって、いつの間にか手にしているジョッキを掲げて
                カンパーイ!!  って言ったりしてまた進んでいくのだった。



路地が細くなればなるほど、、、日本だったら完全に近所迷惑な感じ。
   周辺のホテルに泊まっている観光客はびっくりだろう。遊んだもん勝ちだ。
   大合唱ぶりをみると学生たちの夜のお楽しみでもあるようだ。
   セレナータには独特の節回しや合いの手があるようで観光客は遠巻きにみている。



私たちはみんなと違う顔をしているので、歌の上手い大男に 「ハポネー」 とからかわれた。
     これは有料ツアーというふうにガイドブックには紹介されているけれど、
     大道芸のような徴収の仕方なものだから払う人もあれば知らん顔の人もいて適当な感じ。
     お金を払った人の数倍の人がぞろりぞろりついていく。



      尖がった若者がいないのかというのかというとそんなことは無く
      ビートの効いた音楽を大音量でかけている店に集まっている。
  店の脇を手拍子と合唱が通り過ぎてゆく。
        鼻にピアスをした女の子が恨めしそうに見てる。
一人の男の子が女の子同士のテーブルを、落ち着きなく行き来している。
    二兎を追う者はなんとか、、、いやいや数打ちゃなんとか、、、クスクス。


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