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「あの、こちらで今日の夕方から、踊りがあると思うのですけれど。 参拝ではなくて、それをみにきたのですけれど。車、止めても良いですか?」 「あ?、、そのようですなぁ。何時から?」 「多分、4時からだと。」 「でぇ、何時まで?」 「多分、5時くらいまでだと。こちら、5時で終わりですよね?」 「う〜んまぁ、少しぐらいなら、かまへん、かまへん。良いですよ」 よく分かっていない者同士のなんとも適当な会話。 おじさんの「良いですよ」はこうして文字で書いてみるとただの「良いですよ」なんだけど 耳で聞いたには、もっと大らかで、もっと楽しげで、もっと愛嬌たっぷりで、 くすぐられているみたいな気分になった。