<< 前  目次  次 >>



「うーん、どうしよう、わからないの、ごめんなさい」
すると彼女は、こくりと頷いて
大丈夫、大丈夫、という感じで、一息ついて
さっき言ったことと全く同じことを、ゆっくりと話してくれた。



あちゃっ、、、聞き取れないんじゃないんだよね、、、さっぱり、わからないの、、、

    さっぱり、わからないのに来てしまったことを申し訳なく思う。
    恐縮していると、また、
    大丈夫、大丈夫、と、今度は両手のひらをこちらへ向けてにっこり。
    さっきよりもっとゆっくり同じことを言ってくれる。



言葉はどんどんどんどんゆっくりになって
最後には彼女が私の肩を抱いてくれたりして、
私は、ものすごく、びっくりした。
    なんて、気の長い、そしてポジティブな人なんだろう!
      大丈夫、大丈夫って、、、全然、大丈夫じゃない。



まぁ、これで死んだりしないけど。

      あっ、そうか、確かにたいしたことじゃないかも。


<< 前  目次  次 >>

copyright 2009 anonima studio