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「うーん、どうしよう、わからないの、ごめんなさい」 すると彼女は、こくりと頷いて 大丈夫、大丈夫、という感じで、一息ついて さっき言ったことと全く同じことを、ゆっくりと話してくれた。
あちゃっ、、、聞き取れないんじゃないんだよね、、、さっぱり、わからないの、、、 さっぱり、わからないのに来てしまったことを申し訳なく思う。 恐縮していると、また、 大丈夫、大丈夫、と、今度は両手のひらをこちらへ向けてにっこり。 さっきよりもっとゆっくり同じことを言ってくれる。
言葉はどんどんどんどんゆっくりになって 最後には彼女が私の肩を抱いてくれたりして、 私は、ものすごく、びっくりした。 なんて、気の長い、そしてポジティブな人なんだろう! 大丈夫、大丈夫って、、、全然、大丈夫じゃない。
まぁ、これで死んだりしないけど。 あっ、そうか、確かにたいしたことじゃないかも。