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サンクチュアリーセンターの人は
「マガンの戻り」が見える確率の高いポイントも教えてくれた。



沼のすぐ脇に田んぼのある場所。小さな空き地に車が数台停まっている。
車を停めて、田んぼより一段高い土手のような道を歩いてみる。   
無数のマガンと白鳥の群れ。大きな群れだ。     
落ち穂拾いや毛づくろいをしているのもいるけれど、       
何をするでもなくというふうなのが大半のように見える。        
こっちを向いている様子も無いのに          
一定の距離以上近づいてしまうとバタバタと逃げる。         
頭上を数羽の小さな群れが飛んでゆく。         
彼らの周りには、私たちの持っているものとは違う時間が流れている。        
私たちだけじゃない。烏とも、木々で暮らす小鳥たちとも、       
くるりと輪を描くトンビとも違う。     
双眼鏡を覗いていると、こちらまで力強く風を捉えたような感覚になり    
小さな旅へ出たような心持になる。



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