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「これね、おじいさんの、晩年の作品なのね。 亡くなる前の年くらいからの。 昔は白内障なんて治せなかったから、この頃には、 眼なんか全然見えてなくて、カンで描いてるのよ。 だから、左右がちょっとちぐはぐでしょう。 若い時の威勢のいいもんは、全部売っちゃってもう、 無いからね、おじいさんのこけしは看板だから、 無いとうちも困っちゃうからね、頑張って描いてくれたのよ」