<< 前 目次 次 >>
はらり、ほろり、雪が舞いだした。 細い真っ白な道に車の轍が続いている。 大きなこけし店へ入るけれど、心もしょんぼり、惹かれるものはなし。 なんだか、もう、今日は日も暮れて来ているし、 このまま宿へ行って温泉で温まるのがいいのかも。 口にはしないけど、そんなことを思っている。
というところで、相方さんが、 気になっていた工人さんの名前の工房を見つける。 ただ、気になっていただけで、この人の作ったほんもののこけしは見たことが無い。 「やってる気配は無いけどなぁ、、、どうする?」 「う〜ん、、、どうなのかな、全く、やってる気配ないよねぇ」「日曜の午後だしなぁ」 と、言ったり思ったりしているんだけど、 相方さんは車を止めたし、私は自動的に車を下りた。