アノニマ・スタジオWeb連載TOP > 暮らしのなかのSDGs もくじ > その9 SDGsをかんがえるブックリスト【暮らし編】2

イラスト/江夏潤一


その9

SDGsをかんがえるブックリスト
【暮らし編】2


SDGsにかんする本というと、専門書やビジネス書などをイメージする方も多いかもしれません。
『暮らしのなかのSDGs −今と未来をつなげるものさし』は、そんなふうに感じている方にこそ読んでいただきたい1冊です。生活者の視点で考えるSDGsとして、頭をやわらかくして読んでいただけたらと思っています。
前回の「SDGsをかんがえるブックリスト」に続いて、今回もアノニマ・スタジオの本の中からいくつかピックアップしてみました。紹介する7冊に共通しているのは、“すこやかに暮らし、しなやかに生きる”ということ。気になるものがあれば、ぜひごらんになってみてくださいね。
紹介文の最後にある番号は、本に書かれている内容でSDGsにもつながっているものを、目標の数字で表しているので、こちらも参考にしてみてください。




『食べられる庭図鑑』
良原リエ

著者の良原リエさんは、衣・食・住問わず暮らしを楽しむ達人です。本書では、自分に合った環境で楽しめる家庭菜園や庭作りのアイデアを紹介。植物や生きものたちへの愛情たっぷりに、一年を通して自然に親しむ暮らしを提案しています。植物を育てることは、自然の循環を感じ、私たちもまた自然の一部であると知ることでもあります。「眺めるだけでも心の栄養になり、食べれば体の栄養にもなる、植物との美味しい暮らしを楽しんでもらえますように」(はじめに より)。





『野生のおくりもの』
早川ユミ

私たち一人ひとりがそれぞれ持っている「野生」。高知の山のてっぺんで、ちいさな自給自足を営む布作家の早川ユミさんは、「ひと」「もの」「こと」から「野生」のにおいをかぎわけます。土器や神事、アイヌや縄文の暮らしから学ぶこと、直感を信じて生きる魅力的な人々について、ダイナミックに綴られています。自分のなかの「野生」に気づくことで、生きる世界をぐんと広げてくれるエッセイ集です。





『主夫と生活』
著:マイク・マグレディ
訳:伊丹十三

ある日、新聞社の人気コラムニストを辞め「主夫」になったマイク・マグレディ。実体験に基づき、家事や育児に奮闘しながら、仕事と家事のバランス、家族との関係について考える姿を、伊丹十三氏の軽妙な訳文で綴ります。1983年刊行の翻訳エッセイを復刊し、内田樹氏の解説を新たに収録。“夫と妻の「役割交換」は可能か?”という本書の問いに、あなたならどう答えますか?





『聡明な女は料理がうまい』
桐島洋子

この本は、社会が進化しても変わらない「女性の生き方」について、料理と台所を通して提示するエッセイです。家事を手放すことが女性の自立につながるのではなく、自分の暮らしを確立してこそ聡明な生き方、という痛快な語り口が心地良く、男女問わず幅広い年代に読んでいただきたい作品です。1970年代のベストセラーを復刊し、40年を経た現在もたくさんの人に読み継がれています。





『そして、暮らしは共同体になる。』
佐々木俊尚

ITから政治・経済・社会・文化・食まで、幅広いジャンルで活躍するジャーナリスト佐々木俊尚氏が「暮らし」をテーマにしたエッセイ。「持たない暮らし」「ミニマリスト」「街に暮らす」「シェア」など、幅広いトピックスを取り上げ、過去・現在・未来の分析や考察を、やわらかで軽快な語り口で展開。コロナ禍において、ライフスタイルが変わりつつある今、企業、テクノロジー、文化、そして共同体など、横へとゆるやかにつながっていくこれからの暮らし方を考えるきっかけに。さまざまな事例とともに、心地よい暮らしのあり方をひもときます。





『いのちは のちの いのちへ−新しい医療のかたち』
稲葉俊郎

2020年、新型コロナウイルスによる感染症が地球全体を巻き込み、私たちの社会は大きな変化の時を迎えています。これから必要な医療とは、誰もが主体的に関われる「場」であり開かれた対話とともにあると、元東大病院医師の稲葉俊郎氏は説きます。医療は孤立した存在ではなく、私たちの生活をとりまくすべてに関わるもの。私たちの「新しい場」を考える一冊です。第3章は「SDGsと医療」というテーマで綴られています。






『ブータンが教えてくれたこと』
かわしまよう子

草花をライフワークとするかわしまよう子さんが訪れたのは、道路と電気がまだ通っていないブータンの小さな村、チモン。「農業で生計を立てていたあるブータン人は、たくさんの作物をつくると農薬などで虫を殺してしまうことに胸を痛め、自分たちが食べるぶんだけの作物をつくるようになったのだとか。(中略)ブータンという国のエピソードを聞くたびに、私もブータンに行ってみたくなった」(1章 ブータンの理由 より)。幸せの国の人たちに、ショーナンピュア(幸せ)とは何かを問いかけています。





自分が見ている「景色」を違う角度から見てみたり、「自分」を一歩引いて見つめてみたり。自分とは違う人の立場で物事を考えたり、想像したり。そうすることで視野が広がり、新しい世界が見えてきます。
SDGsは、見えていなかった世界を見ようとすることから始まるのかもしれません。





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編/アノニマ・スタジオ

アノニマ・スタジオは、KTC中央出版の「ごはんとくらし」をテーマとしたレーベルです。食べること、住まうこと、子育て、雑貨・・・暮らしを少し豊かにしてくれる生活書を中心に、本づくりやイベントを行っています。



暮らしのなかのSDGs
今と未来をつなげるものさし

編/アノニマ・スタジオ
定価 1650円(本体価格1500円)

持続可能な社会をつくるために、どうしたらいい? 経済、社会、環境、どれもが私たちの暮らしに結びついています。日常の場面から考える「SDGs思考」を身につけ、「SDGsの“ものさし”」を自分のなかに持つことができるアイデアブック。SDGs入門書としてもおすすめ。



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