何羽くらいの群れだったのだろう。
戻りはバラバラだけれど、わたりはほぼ一斉だというから
これ6万羽と言ったら鼻血でちゃうわ、きっと。
年季の入った鳥ウォッチャーの皆さんも満面の笑み。
「今、丁度、4時半だよ。センターの人の言った通りの時間」
時計を見て相方さんがいう。
それから、続々と大きな群れが戻ってきた。
よく時間を知っているのか、見物の人も増えたけれど、
真上を通り過ぎたのはその1回だけだった。
白鳥も帰ってくる。
白鳥はマガンよりもずっと大きい。迫る夕闇に浮かび上がる豊かな白い体。長い羽と長い首。
ゆっくりと羽ばたき、羽を舵にして目標を定め、着水。
水の上を滑りながら羽をキューっと持ち上げると測ったように速度は落ちて、
羽は何事も無かったかのようにたたまれる。
たいてい、2羽一組になってゆっくりと湖面を移動してゆく。
うっとり。