件名6:了解いたしました。
ヨシダさま
>優しいお気持ちは充分分かります。ただただ感謝いたします。
>本当に突然にもこのような状況に巻き込んでしまって恐縮です。
>当初から先生も息子様も、奥様のお気持ちが一番心配でした。
>案じられるお気持ちは良く分かります。先生も同感だそうです。
>おっしゃる通り、奥様のお気持ちを十分考えた上でも、慎重に慎重に進めなければ行けないと考えて
います。
>ここまで苦労を重ねて来られた方にさらに心の傷を作るとなると、もってのほかです。
>戸籍謄本のことはお伝えし、ご用意させます(日本語に訳し、領事館の公証を
とります。)
>以上、優しいご配慮に感謝をしつつ次の準備を進めたいと思います。
H拝
件名7:戸籍準備のお知らせ文書
ヨシダさま
>こんにちは! 早速ですが戸籍謄本が届きました。
>念のためコピーをとっております。質問やご不明な点は遠慮なくお申し付け下さい。
>今日宅配でお出しします。
>宜しくお願い致します。
H拝
Hさんと私の間には、不思議なコンビネーションが生まれつつありました。
彼の話では、私たち日本人は率直な物言いを好まず、感情の細かい波や些細な言い回しを複雑に表現することが多い。彼の国の言語の方が、ああしたいこうしたい、と気持ちをストレートに伝える要素が強いとのことでした。そのあたりは、この20年間日本に居て肌で感じてきたらしく、今回の私の進め方に関しても、少しもあせることなく、根気強く段階を経て、彼がクッション剤になってくれているのでした。
グローバルコミュニケーションなどと簡単に言いますが、暮らしていて、今回のようなケースに直面することは、恐らくまれでしょう。私たちは、奇妙な縁で貴重な機会を得ているのだと思わすにはいられませんでした。そして、今では古くからの知人のようだとも感じていました。