<<連載もくじ はじめに>>
サクっと気軽なキャンプ術
これまでにも「キャンプ」や「キャンプ初心者の買い物ガイド」、「キャンプでのトラブル対処術」などさまざまにキャンプのコツをご紹介してきた。今回は、より気軽にキャンプを楽しんでいただくために、「負担を減らす」という視点でお話したい。
キャンプというイベントを考えた際、いちばん負担になることはなにか?
「荷物が多い」「準備に時間が掛かる」「家に帰ってからの後片付けに時間や手間が掛かる」・・・このあたりが、キャンプの楽しさとトレードオフの関係にあるようだ。
実際我が家でも「家に帰ってからの後片付けが大変」と妻は言い、連休を最終日までキャンプに費やすことを嫌がる。「連休最終日は家でゆっくり後片付け」というのは確かに理想と言えば理想だが、今回は「そもそもの準備にかかる時間を出来るかぎり短縮する」ことや「荷物を極力少なくする」とか「後片付けなんてしなくってもOK〜!」といったように本質的に荷物や準備そのものを減らす、できれば無くすといったことをご紹介したい。
「準備が大変」「後片付けも大変」と、キャンプに行く事自体が億劫になってしまっているご家族には参考になるのではないかと思う。
1.荷物を減らす
具体策としては以下の方法が考えられる。なにやら「コスト削減して収益性を改善」だとか「原価低減活動」というような仕事感が満載だが、まさしくお父さんの得意分野のはず。
①前回使わなかった道具は持って行かない。どんどん荷物リストから除外していく。
結局、「キャンプに行くのにこれがなかったら不安」という「不安を取り除く装備」というのが、かなりの量とスペースを占めていることが多い。それをその都度除外していくことが、地道だが一番の方法。その代わり「次回これが欲しいなぁ」リストも手帳などに書いておくことをお勧めしたい。
②兼用できる装備を考える。
例えば防寒着を用意するとして、それは防水浸透性素材の雨具と兼用できないだろうか?といったように、もう一度検証してみる。
③買うときは、軽量かつコンパクトな装備を選ぶ。
そもそもかさ張って重量のある装備を揃えていないだろうか?家も倉庫も車載スペースも有限だ。荷物が多いのを良しとしないのであれば、山岳装備などのように、はじめから軽量かつコンパクトな装備を揃えていこう。
2.準備・後片付けを減らす
これは一気に片付けることが出来る。元となるキャンプ道具を一式のコンテナや大きなダッフルバッグなどに詰めておき、家の収納スペースと車の荷台とを往復させるのだ。もちろん着替えなど普段使用しているものはその都度荷造りしなければならないが、「キャンプでしか使わない道具」はわりとあるはずなので、ひとまとめにしておこう。
ちなみに我が家では、
①調理に関する道具(食器とか包丁、まな板、洗いもの道具など)
②鍋、七輪など火を使う調理器具
③水遊び道具
④テントや寝袋
このように分けて収納している。雨などで濡れてしまった場合は家に帰って乾燥させる必要はあるが、晴れていれば、この4つの荷物は、家の収納スペースと車の荷台を行ったり来たりしているだけ。「よし、キャンプに行くぞ!」となれば、我が家では15分もあれば出発できる。真冬、キャンプのオフシーズンは、その収納スペースにスキーや雪遊びの道具が替わりに入ることになる。同じように、「よし、スキーに行くぞ!」となれば15分後に出発できるのである。
旅行とキャンプは出来るだけ少ない荷物で行くほうが、旅行そのものやキャンプそのものを楽しむことが出来ると信じている。サクッと用意してサクッと出かける。めちゃくちゃしつこく遊んで、帰ったらサクッと片付けが終わる。普段からのちょっとした工夫でこんなキャンプが出来る。お母さんお父さんの負担が少なく、それでいて「楽しかったね」というキャンプをぜひ実践して欲しい。