第3回 Dalston Eastern Curve Gardenの猫















東ロンドンのダルストンと言えば、
今、ロンドンで一番おもしろいと言われているエリア。
アーティストやデザイナーの構えるスタジオを中心に、
味わいのあるカフェや、小さなビストロレストラン、
それに、夜はおしゃれなロンドナーの集まるバーや
クラブなどが広がって、
いつも新しい何かと、出会える予感に満ちている。





そんな活気に溢れるトレンド中心地にあって、
まるでオアシスのようなリラックス空間が、
ダルストン・イースタンカーヴ・ガーデン。


地元の人々が自然と触れ合える場所を、
という思いから生まれたこのガーデンは、
緑の中で、お茶やランチを楽しんだり、
ママたちが、安心して子どもたちを遊ばせたり、
地元住民が参加して、草花や野菜を育てたりと、
コミュニティの憩いのスペースになっている。





そして、このガーデンの平和を守るべく、警備を担っているのが、
キジシロ猫のスタンレー。
子猫のときにふらりとあらわれて以来、 ガーデンに住み着いて、
警備担当者として任命されたものの、
「夜は寒くてかわいそう」と、
ガーデナーのお兄さんが、お家に連れ帰るようになり、
毎朝一緒に出勤してくるのだとか。




きりりとしたアイラインがチャームポイントで、
お客さんの靴ひもで遊ぶのが大好きなスタンレー。
種をまいたり、耕したりと忙しく働くガーデナーさんの後を、
ちょこちょことついて回ってみたり、
ハーブガーデンでごろりと横になったかと思うと、虫を追いかけたり、
ランチタイムのお客さんに挨拶してみたり、
庭猫、警備猫として、しっかりと務めを果たしているみたい。




都会の中に、ほっと一息つける緑があって、
地域住民が交流する場所にもなっているというのは、
ロンドンの懐の深さだなと、私は思っている。
緑に触れるのは、心身の健康にとても良いことなのだと言うし。
それは猫にも通ずることのか、よく分からないけれど、
スタンレーはいつも、ウキウキと楽しそうな顔をしているから、
会うたびに私まで、心がふわりとほころんだような気持ちになれる。




13 Dalston Ln, London E8 3DF
http://dalstongarden.org/






1979年、札幌生まれ。写真家&ライター。 ファッション誌やライフスタイル誌で、撮影執筆を手がける。 2005年より英国在住。猫とお笑いと旅が好き。 http://www.sayakahirakawa.com/